日々の記録

日々思ったこと、読んだ本などについて書いてみます

どんな’泡’になるか

昨日、ジャパンハートの吉岡秀人さんの講演会を拝聴しに行った。
吉岡さんは、2003年から、ミャンマーカンボジアラオス、そして日本でも医療支援活動を行う方である。

自分自身東南アジアは大好きで、
カンボジアの孤児院の子供たちと関わることで生きがいなども多数感じた経験はあるが
そのような国々が発展したとき、その国の若者はどこに生きがいを求めるようになるのか
という疑問も持っていた。

そのような中で、なぜ発展途上国なのか、
そしてどのように活動から生きがいを感じているのか、
それを知る絶好の機会ではないかと考え、お話を伺いに向かった。

全体の流れでは、吉岡さんが医師を目指したきっかけから始まり、
東南アジアでの20数年の歩みを印象に残った子どもたちのエピソードを交えながら、
最後にこれからの吉岡さんの夢、そして私たちへのメッセージをいただいた。

その中で、印象に残ったことを数点述べたいと思う。

吉岡さんが初めてミャンマーを訪れたとき、
人口30万人の都市で、医師、看護師がともに一人しかいないという状況に直面した。
当然そのような場所でできることは、簡単な消毒ぐらいだったそう。

しかし、吉岡さんは本来外科医で、手術を必要とする方も大勢いた。
そんな中、彼の頭の中は、手術なんてできないで埋め尽くされていた。
床は土で不衛生、電気も1日2時間しか来ない、滅菌などどうすればいいのかなどなど。
考えれば考えるほど出来ない理由が浮かぶ。

そんなある日、口唇裂の女の子に出会い、なぜ医者になったのか振り返る機会が出来た。
恵まれた自分の人生を、生まれた時代や場所の違いで恵まれない人々に貢献したかったのではないか。

そう自分と対話して行くうちに、手術をすることを決心した。
すると、アイデアが湧き出てくる。
床はタイルを貼る、電気が来ない時はスタッフの両手の懐中電灯で照らす、煮沸した湯で滅菌する、などなど

その言葉から、僕は、できないと思っているうちはできない理由を探してしまう。
やりたいと思うのならば、できると信じることが大事なのだというメッセージを感じた。

また、その話の中で吉岡さんが一つ一つ問題を解決して行く中で、
いかに普段多くの人に支えられているのかを痛感したそうだ。
食事、清掃、事務、それらを全てしなければならない。

しかし、日本の病院では、暑い調理し配膳してくださる方、毎朝清掃してくださる方、事務で会計をして下さる方、
誰一人かけても病院としては機能しなくなる。

吉岡さんがアメリカのNASAを訪れた際に、廊下を掃除する清掃員のおじいちゃんに
何をなさっているのですかと尋ねたところ、
「ロボットを飛ばすお手伝いをしています。」とおっしゃったそうだ。

患者さんから直接感謝してもらい、やりがいを感じることができる医師や看護師だけでなく、
病院に関わる方全員が、「自分の仕事は患者さんの健康に貢献しています。」と答えるようになる時、
理想の病院、医療が行われるようになるのではなかろうか。

加えて最後の方に、吉岡さんは大分県で出会った看護師さんのお話をされた。
彼女は、看護師の仕事は、誰がやっても同じ、泡のようなものですと話された。
しかし、吉岡さんはこうお答えになった。
「確かに泡かもしれない。しかし、人の健康を助けるという方向性を持ちながら取り組むことで、医療全体が前に進むし、あなたがいなければ後退してしまう。」

自分自身そこまで割り切ることはできないが、
どのような方向性、価値観、軸を持ち、
それに沿いながら、対話、振り返りながら生きることは
人の人生を豊かにするのではないかと感じた。

最後に、質疑応答の中で、
将来アフリカで医療に貢献したいという長崎の医学生の質問への答えをお伝えしたいと思う。

彼女の質問は、
「もともと医療者、医師としてアフリカで医療貢献をしたいと考えていた。
しかし、大学生になり、何度かアフリカに行って、お金がなく医療が受けることのできない方々に直面し、
貧困をなくすことが一番の解決策ではないかと感じるようになった。
吉岡さんも同じように感じることはなかったか。」
というものだった。

それに対して吉岡さんは、
やりたいことをやればいい。
しかし、あなたがアフリカに行ったように行動して考えを深めるのも大事だ。
例えば、好きな異性のタイプは?と聞かれて答えることと実際に付き合う異性のタイプが違うことは多々あるだろう。
そのように頭で考えていることを行動することで目の前に出さなければ、何を考えているかはわからない。
自分のしたいことに従って行動し、その中で内省を繰り返すし、その中でやりたいことをする。

以上のことから、自分のやりたいことをまずやってみる。
そして自分と向き合い続ける。
加えて、感謝と自分周りを信じる。

このことを胸に泡となったとしても生きていこうと思います。

具体的には、この疑問を解消するためにインドかミャンマー行って、
医療ボランティアやインターンができれば。

また、心を動かされたことを言葉にして、
整理できればと思います。